第129回 新宿セミナー@Kinokuniya
『越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文』 刊行記念
英語と日本語のはざまで
会場の紀伊国屋ホールは、前のほうに座っていたのでよくわからなかったけれど、けっこう人が入っていた模様。女性が多かった。開演時間になって登場した越前氏は、さっそうとしたダンディー。なるほど。
チラシには「英語自慢の鼻をへし折る!」とか、「実力のある人をさらに上へ押し上げる」とか、入るときいきなり渡された英文のプリントとか、なんか、ちょっと、これは難しそうな講演じゃないかと心配しましたが、さすが予備校や翻訳学校の講師をされただけあって、話が面白かったです。おもわず必至でメモをとっていました。
前半は『越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文』の内容の話で、例文に誤りがあったこと、本書は体系的になっていないこと、文脈で類推できる文になっていないこと、英語を理解してそれを日本語にするまでを念頭に置いていることなどが語られました。
後半が、翻訳の話。翻訳に大切なことは、まず日本語が好きなこと。次が、調べものが好きなこと。そして本が好きなこと。英語はすこし嫌いなくらいがいいそうです。とにかく、日本語に精通していることが大切。なぜなら翻訳家は、日本語について金をもらっているのだから、といった話から、現在の翻訳事情や、意訳の技術的な話など面白かったです。
まあ、英語より日本語が好きなことなんて、圧倒的な英語力があって、初めていえる話だとは思います。
今回、『ダ・ヴィンチ・コード』の翻訳家の講演と聞いていたわけですが、よく考えたら、私は、『ダ・ヴィンチ・コード』も『越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文』も読んだことがなかった……。で、会場で著書を購入してサインをもらいました。
サイン本なのに、読み込んで書き込んでしまいそうな予感がします。
越前敏弥氏が薦める名翻訳。
自薦の翻訳書。
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コメント
TBありがとうございました!
おもしろかったようですね。
お話がとても上手な方ですし、教えるのもきっとそうだったのでしょうね。
名翻訳のドン・ウィンズロウ一連シリーズは、きっとb-flat7さんもお好きだと思う。私もだぁぁぁぁぁい好きです。翻訳はもう、ほんとすごいです。
越前さんの翻訳ももちろんすばらしく、どれもいいんですけど、(オススメの児童書ももちろんのこと!)、ゴダードいいですよぉ。クィーンの新訳も読まねばと思っているのですが、そうそう、『サルバドールの復活』もいい!
投稿: さかな | 2009年4月14日 (火) 午前 07時55分
>さかなさん。
これは……。全部読まねば!
ちょうど、読む小説が尽きていたのでうれしいです。わくわくしてきた。
投稿: b_flat7 | 2009年4月14日 (火) 午後 09時41分